JavaScriptのStrictモードについて忘備録としてまとめる。
TypeScriptでコードを書く場合、コード内に構文エラーなどが混入していても実行前のビルドでエラー検知が可能である。
ただし、ビルドが不要なJavaScriptを書いて実行した場合には、実行時エラーが発生することがある。
そういったコード内のバグを検知してエラーとしてくれるのがStrictモードである。
Strictモードとは
ECMAScript5(2009年12月リリース)で導入された機能。
JavaScriptの自由度を制限する代わりに堅牢なコードとなることを目的としたモード。
JavaScriptの規格とブラウザの種別によって適用されるルールに多少の違いがある。
https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/JavaScript/Reference/Strict_mode
使い方
JavaScriptコードの先頭に'use strict';という構文を記載することでStrictモードになる。
'use strict';
const test = () => {
hoge = 1;
console.log(hoge);
}
test();
関数スコープ内に記載すれば関数内でのみStrictモードが有効となる。
const test = () => {
'use strict';
hoge = 1;
console.log(hoge);
}
test();
ECMAScript2015から追加されたJavaScriptモジュールでは自動的にStrictモードになる。
const test = () => {
hoge = 1;
console.log(hoge);
}
export default test;
Strictモードのルール
実際に遭遇しそうなものを何個か抜粋。
グローバル変数を作成できなくする
変数hogeを0で初期化して次行で1を代入するコード。構文エラー等は無いので問題なく動作する。
const test = () => {
let hoge = 0;
hoge = 1;
console.log(hoge);
}
test();
// => 1
上と同じく変数hogeの初期化後に別の値を代入するコード。 ただし、代入する対象の変数名を間違えてグローバル変数hugaを定義してしまった場合。
Strictモードが有効でない場合はエラーとならずに動作する。
const test = () => {
let hoge = 0;
huga = 1; // スペルミス 誤:huga、正:hoge
console.log(hoge);
}
test();
// => 0
Stirctモードが有効の場合、ReferenceErrorエラーが発生する。
'use strict';
const test = () => {
let hoge = 0;
huga = 1;
console.log(hoge);
}
test();
// => ReferenceError: huga is not defined
予約語を変数名として利用できなくする
'use strict';
function test() {
const private = 1;
console.log(private);
}
test();
// => SyntaxError: Unexpected strict mode reserved word
対象の予約語は以下の通り。
implements, interface, let, package, private, protected, public, static, yield, class、enum、export、extends、import、super
まとめ
- 特別な事情が無い限りStrictモードは適用させるべき。
- ブラウザによって扱いがことなるため複数ブラウザでの動作確認はするべき。